広島解体業者店長が地盤改良工事とは何なのかご説明致します。
広島解体工事業者ハウスドクターの三島です。
地盤改良工事が必要なので100万追加でかかります。と言われえても分かりませんよね?
解体専門店ならではの目線で専門用語のご説明を致します。
地盤改良とは、建築物や橋梁などを地盤上に構築する際に安定性を保つため地盤に人工的な改良を加えることです。
軟弱地盤の上に家を建ててしまうと、家が傾いたり地域によっては液状化することもあります。
最近では古家付きの土地を解体した後に、事前の地盤調査とその結果によって地盤改良を考えるということが多くなっています。
●地盤改良工事
・表層改良工法
表層改良工法とは、地表面から深さ2メートル位までを掘り返し軟弱な地盤の土とセメント系固化材を混ぜて固めることによって地盤を硬くする工法です。
表層部の軟弱地盤部分を掘削し、セメント系固化材を土に混ぜて十分に締固めて強度を高めます。
これにより不同沈下(家を支えている地盤がかたよって沈下すること)などのリスクを防ぐとされています。
・柱状改良工法
柱状改良工法とは、地盤の深い部分に軟弱地盤が確認された際に地盤の硬い部分まで柱状のコンクリートを流し込んで杭を打ち込んでいく工法です。
地中に直径60cmほどの穴を開けて良好な地盤まで掘り、地盤を掘る過程で水を混ぜたセメントを注入して土と混ぜて撹拌、円柱状の固い地盤を築くことで強化する仕組みです。
円柱状に地盤を固めた改良杭によって建物を支えます。
・小口径鋼管杭工法
鋼管杭工法とは鋼管杭を回転させながら打ち込んでいく工法で、軟弱地盤が深く表層改良工法や柱状改良工法が使えない場合に行われます。
表層改良工法や柱状改良工法とは異なり、地盤自体を改良し固めるのではなく、深い位置にある硬い支持地盤に杭をさしてその杭で基礎を支えます。
コストは多の工法よりも割高になるようです。
●地盤改良工事が必要なケース
地盤調査の結果と敷地周辺に関する情報により総合的に判断し、地盤改良工事の必要の有無を決めます。
以前は地盤調査を行わなくても住宅の建築が可能だったため、地盤の状態を確かめることなく家を建てたことで不同沈下が起き、欠陥住宅が増加しました。
そのため、平成12年に建築基準法が改正され、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)も制定されました。
品確法は、基本構造部分の10年保証、住宅性能表示制度などを定めた法律で、全てのハウスメーカーや施工業者に対して瑕疵(かし)担保期間(10年間)を義務付けています。
この法律の適用により、現在では地盤調査がほぼ不可欠となりました。
・地耐力(地面が建物を支える強さ)が20~30KN/㎡以下の軟弱地盤と判断された場合
・敷地とその周辺が埋め立て地や盛り土で造成された土地、過去に陥没があった土地、液状化や不同沈下の可能性がある土地など、総合的な周辺情報により地盤の強化が必要と判断された場合
●地盤改良工事のメリットとデメリット
【表層改良工法】
・メリット
表層改良工法のメリットは、改良深度が浅い場合は工事の費用が比較的低額で、小型の重機でも施工が可能なことです。
地盤の中にコンクリートや石などが混入していても施工することができます。
地盤改良面が小さく浅い土地で費用が比較的低額で済みます。
・デメリット
表層改良工法のデメリットは、勾配のきつい地盤では施工が難しい場合があることです。
地盤改良面よりも地下水位が高い場合は対応できず、職人のスキルに依存しやすく実績を積んだ職人でないと仕上がりの強度に影響することもあります。
・向いている土地
表層改良工法に向いている土地は、あまり勾配がなく地下水位が地盤改良面よりも低い土地です。
【柱状改良工法】
・メリット
柱状改良工法のメリットは、支持層(強固な地盤)がなくても施工できる場合があることです。
工事の費用が比較的低額で住宅の地盤改良工法として多く採用されています。
・デメリット
柱状改良工法のデメリットは、搬入路が狭い土地や狭小地、高低差のある土地では、搬入不可となる可能性があることです。
セメントが固まりにくい地盤(有機質土)では固化不良が発生することがあり、施工後は地盤の原状復帰が難しいこともあります。
改良体が残るため、建物解体後に別の建物を施工する際に工法の検討が必要になります。
改良体撤去を行う場合は撤去費用にかなりの費用が必要となるため、将来的に土地を売りたい場合は価格の低下につながる可能性もあります。
・向いている土地
軟弱地盤で不同沈下の可能性がある場合に用いられます。
【小口径鋼管杭工法】
・メリット
小口径鋼管杭工法のメリットは、施工後の地盤強度が他に工法に比べて高いことです。
重量のある建物にも対応できるため3階建ての建築物でも施工可能で、柱状改良より小さい重機で施工することができます。
・デメリット
小口径鋼管杭工法のデメリットは、支持層がある地盤でなければ施工することができないことです。
工法によっては工事中の騒音や振動が大きいため、工事に入る前に近隣への配慮は欠かせません。
圧密沈下の大きい場所で杭を採用すると建物は沈下せず周囲の地盤が下がり、杭の抜け上がりが起こることもあります。
同じ条件で工事をした場合、柱状改良工法より高額になることが多くなっています。
・向いている土地
表層改良や柱状改良では対応できない土地、ある程度狭い土地で支持層がある土地に向いています。
●地盤改良工事の費用
【表層改良工法】
・工事する建物の規模…一戸建てレベルの規模
・一般的な工期…対応する土地の広さにもよりますが1~2日
・一棟あたりの費用の目安…地域や広さ・改良深度などによって異なりますが、一般的な戸建住宅の費用は一棟百万円弱程度から百数十万円程度
【柱状改良工法】
・工事する建物の規模…一般的な戸建て住宅
・一般的な工期…改良杭の数が30本程度であれば2~3日
・一棟あたりの費用の目安…地域や改良杭の本数・長さにもよりますが、一般的な戸建住宅の費用は一棟あたり数十万円程度から数百万円程度
【小口径鋼管杭工法】
・工事する建物の規模…一般的な戸建住宅
・一般的な工期…条件にもよりますが1~2日
・一棟あたりの費用の目安…地域や杭の本数・杭長などにより金額は異なりますが、一般的な戸建住宅の費用は一棟あたり数十万円程度から数百万円程度
●地盤改良で起こる地盤事故
地盤改良や補強工事を行っても地盤事故が発生してしまうこともありますので、地盤補強の方法も十分な考慮が必要です。
・ベタ基礎、表層改良の事故
家の下を固めてしまえば家と地面が接する面積が増えるため、安定すると思われがちです。
しかし、家の下で軟弱層の厚さが急変しているような場合はセメントで固めて重くなった分、逆に傾きやすくなります。
・セメントが十分に固まらない
土の中に存在する葉っぱなどが腐ってできた腐植土とセメントの相性は悪く、 十分に固まらないことがあります。
・固い地盤に杭が届いていない
土の中の深くにある固い地盤まで杭を打ったと考えていても、 軟弱層の起伏などの原因で届いていないことも想定されます。
広島解体業店長のコメント
地盤改良工事とはどのような内容なのか分かりましたでしょうか?解体の専門用語は沢山出て来ます。
皆さんにご理解頂きたいのは、何の為にお金が追加でかかるのか?その金額は妥当なのか?
どんな工事が追加で発生してしまうのか?と理解して頂きたいと思います。
重機などが何台も来れば高いのか?って思わず見積もり段階でしっかりお話を聞きましょう。