広島解体業者がアスベスト(石綿)についてご説明いたします

2019.07.01

広島解体工事業者ハウスドクターの三島です。

アスベストは天然の鉱物繊維で、石でありながら軽い綿状の性質を持つことから石綿(せきめん、いしわた)とも呼ばれています。

アスベストは加工しやすく、吸音や吸着性・引っ張り強度に優れ、電気絶縁性・耐火性・断熱性にも優れるため、安価な工業材料として、主に、断熱材、保温材、防音材などの建築物の建材に使用されてきました。

しかし、アスベストは目に見えない大きさで簡単に飛散し、肺に吸入されても石綿繊維が分解されません。
工場での労働やビルの解体工事などある特定の条件下で長期間アスベストを吸入した場合、肺がんや悪性中皮腫などの健康被害を生じさせると言われ、現在、日本では使用が制限されています。(吹付けアスベストは昭和55年に禁止、アスベストを含む建材の製造・使用は平成16年に禁止)

発病するには高濃度のアスベストを10年以上吸入した場合がほとんどで、長期間・高濃度吸入で健康被害のリスクが高まるのは確かですが、どれだけの量を吸ったら発症するかは現在不明です。

現在、日本ではアスベストの使用・飛散に対して様々な形で法的規制がされていますが、建築材として過去に使用されたものについては今でも残存している部分もあります。

アスベストを吸っていた可能性のある方は、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

アスベストに関連した健康被害は数日~数か月後に出るというものではなく、なかには数十年経ってから発症するものもあります。

●健康被害を引き起こす原因

アスベストは性質上非常に軽く、環境中に飛散しやすい物質です。多くの建築物で使用されていたため、老朽化した建物や工事現場などからアスベストが環境中に大量にまき散らさせる可能性があります。

空気中に漂うアスベストを吸い込んでも痰などに混じって身体の外に排泄されますが、吸い込んだ量が多い場合は完全に排泄されずに肺・胸膜に沈着することがあります。

特に長期間アスベストに暴露されると、より一層肺・胸膜にアスベストが沈着する危険性が高まります。

アスベストは目に見えないほど小さな繊維で、体内の中でも特に肺組織の深く肺胞に沈着します。肺に沈着したアスベストは異物としてマクロファージという細胞が排除しようとしますが、排除されない場合には長期間に渡って肺に留まり炎症が生じることになります。

肺の組織が長期間傷つけられて発生した炎症性物質によりDNAが損傷され、遺伝子異常が生じ細胞ががん化するとされています。

喫煙はDNAを損傷するため、喫煙者ではさらにリスクが高まると考えられています。

●アスベストのレベル

発じん性の高さによってレベル1~3に分類されます。

・レベル1

発じん性:著しく高い
解体するときに繊維が飛び散るためかなり危険。 石綿含有吹付け材(鉄骨耐火被覆、天井断熱材、機械室吸音材)

・レベル2

発じん性:高い
密度が低く非常に軽いため一度崩れるとかなり飛散する。耐火被覆材(鉄骨造の梁や柱)、石綿含有保温材(配管、ボイラー)、断熱材(煙突)

・レベル3発じん性:比較的低い

密度が高く固いためレベル1、2に比べると飛散しにくい。石綿含有成形版(外装材、屋根材など)

●アスベストが関与して発症する病気

WHO(世界保健機構)の報告によると、アスベストの繊維はじん肺、悪性中皮腫、肺がん等を起こす可能性があることされています。

これらの病気に関連した咳や息切れ、胸の痛みなどの症状が出現、原因不明の体重減少から発見されることもあります。

また、指先が太鼓のバチのような形になることもあり(バチ指)、アスベスト肺では特に肺の下の方に病変が生じることが多く背中に耳を当てるとバリバリという呼吸音が聞こえることもあります。

アスベストによる健康被害はアスベストを扱ってから長い年月を経て発症、肺がんは15年~40年またはそれ以上という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。

・石綿(アスベスト)肺

肺が繊維化してしまうじん肺という病気の一つで、じん肺にはアスベストのほか、粉じんや薬品等多くの原因があります。
アスベストのばく露によっておきたものを特に石綿肺とよんで区別しています。
職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるとされ、潜伏期間は15年~20年と言われています。
アスベストばく露をやめたあとでも進行することもあるため注意が必要です。

・肺がん

アスベストが肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされ、喫煙と深い関係があります。
アスベストばく露から肺がん発症までに15年~40年の潜伏期間があり、ばく露量が多いほど肺がんの発生は多くなります。
治療法は外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などです。

・悪性中皮腫(臓器の膜にできるがん)

肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜、精巣鞘膜等にできる悪性の腫瘍で、進行が早く予後が悪い疾患です。
アスベスト以外では放射線物質や遺伝的なものによる発生がありますが、悪性中皮腫の約8割に職業性石綿暴露が認められ、アスベストは最も主要な原因となっています。
若い時期にアスベストを吸い込んだ人のほうが悪性中皮腫になりやすく、潜伏期間は20年~50年(およそ40年に発症のピーク)といわれています。
治療法は外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などです。

・良性石綿胸膜炎

胸膜に炎症がおこり胸膜腔内に滲出液が生じるもので、半数近くは自覚症状がなく症状がある場合は咳嗽、呼吸困難の頻度が高いといわれています。

・びまん性胸膜肥厚(胸膜が厚くなる)

呼吸によって肺が膨らむときに便利なように臓側胸膜と壁側胸膜は本来癒着していませんが、良性石綿胸膜炎が発症するとそれに引き続き胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺がふくらみにくくなり呼吸困難をきたします。

●検査・診断

アスベストに関連した健康被害は肺に影響が現れるため、レントゲン写真や胸部CT写真などの画像検査が行われます。
画像検査によって肺がんや悪性中皮腫の腫瘍病変、胸膜(肺を覆う組織)が分厚くなっていること、胸水が溜まっていることなどが確認されたりします。アスベスト肺では肺の組織が障害を受けているため、肺の線維化や石灰化などがあります。
喀痰検査(痰の検査)が行われることもあり、痰の中にがん細胞がみられたり、アスベストに関連した物質が特定できたりすることもあります。
胸水を採取してそのなかに悪性細胞をみることもあり、病変部位の実際の組織を採る生検では顕微鏡で悪性腫瘍を特定します。

●アスベスト除去工事費用

屋根瓦(スレート瓦など)や外壁材に使われているアスベストを除去する場合、m2あたりの除去費用は2,500円前後となります。
天井や柱に吹付けられていたり内壁や配管に貼られている場合はm2あたり1万円~数万円となり、建物全体では数百万円になることもあります。

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