広島解体スタッフが境界標についてご説明いたします

2019.08.22

広島解体工事業者ハウスドクターの三島です。

境界標とは、土地の境界を示すために人為的に設けられた杭や塀などの目印のことです。

敷地境界線(もしくは境界点)に埋設する標識で、境界標の種類はコンクリート杭、石杭、プラスチック杭、木杭、金属杭、金属標、金属鋲などがあります。

この境界標に関する専門家は土地家屋調査士になります。

土地の所有者は隣地の所有者と共同で境界標を設けることができ、設置の費用や保存の費用は折半となり、測量費用は土地の面積に応じて分担することになると、民法では定められています。

境界標を勝手に撤去してしまうと、刑事的な問題になることもありますので注意が必要です。

一度設置した境界標識を勝手に移動させたり、損壊や除去などを行うと、境界損壊罪となり、刑法(262条の2)によって、5年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられます。

●境界標の種類と見方

・コンクリート杭・金属プレート

コンクリート杭は穴を掘り杭をグリ石などで固定してコンクリートで固めます。
金属プレートはボンドで貼るもの、アンカー留めるもの、埋め込みタイプのものがあります。
コンクリート杭や金属プレートは、十字のものや-字のもの、矢印のものがあります。
十字のものは十字の真ん中の点が境界となります。
一字のものは境界の方向を示すもので境界点を示すものではありません。
矢印のものは矢印の先が境界点となり、コンクリート杭は斜め矢印は矢印の先の杭の角、縦矢印は矢印の先の杭面が境界となります。

・金属鋲

丸い円盤のような形をしたものと、釘のような形をしたものがあります。
いずれも境界の位置はその中心で、点の印が付いていたりプラス表示になっています。

・その他

その他に、プラスチック杭や刻み、ペンキなどが境界標として使用されています。

●境界標に求められる条件

・不動性

境界標は押したり車に踏まれたりしても移動しない、堅牢なものである必要があります。
境界標を垂直に設置することも大切、斜めに設置してしまうと設置した時点からその状態だったのか意図的に移動したのかがわからなくなるためです。

・永続性

100年程度は風雪に耐えられる堅固さが必要です。

木杭や中が空洞のプラスチック杭は数年で破損してしまうため、コンクリート杭や金属杭、石杭などが望ましい種類です。

頭部につける境界点の目印をペンキにすると、いつの間にか消えてしまうことがあるので注意が必要です

・視認性

なるべく目立つような工夫が必要です。

ひと目で境界点だとわかる境界標でなければ、工事などで無くなったり移動されたりする可能性があります。

・特定性

境界標の位置を特定できるようにしておきます。

設置状況の写真撮影や、近くにある堅牢なブロック塀や門柱からの距離を記録しておくことが有効です。

・証拠性

境界標を設置した証拠を残しましょう。

境界標を設置する際は、設置した事実や経緯がわかるように日付を入れた写真撮影をしたり、関係者同士で境界確認書などを保管したりします。

・管理性

境界標を自ら管理します。

地目や地積など現地の状況と登記を一致させ、境界標を設置したら現地の正確な測量図を作成しておくなどきちんと管理しましょう。

●境界標を設置するメリット

・境界紛争をなくすため

境界線があいまいだと、隣接する土地の所有者同士が自分に有利な主張をして紛争に発展する可能性があります。

明確な境界線がわかる境界標を設置することで、境界紛争が起きることはほとんどありません。

・財産の侵害防止にもなる

誰が見ても土地の境界線がわかるようにしておけば、越境を未然に防ぐことができます。

・土地の管理がしやすくなる

境界線を明確にしておくことは、あらゆる面で土地の管理がしやすくなります。

境界線がわからない場合は、隣接する土地の所有者の合意を得なければならないため、境界点の復元が難しくなります。

・土地の取引や相続が迅速に行うことができる

不動産の売買や土地を相続することになった場合、境界を明示しなければいけません。

境界標がない場合は、時間と費用をかけて境界標の復元をする必要があります。

スムーズな処理ができるようにしておくためにも、境界標の設置は重要です。

・図面と現地の照合が容易

図面はあるものの境界が分らないという土地がたくさんあります。
特に古い図面では現地に境界標が無いと、境界点を復元することが大変難しく、隣接地所有者さんの合意を得るまでには、多くの労力と経済的な負担がかかります。
図面があるから安心なのではなく、現地に正しく境界標が入っていることが大切です。

・安心・安全な土地

現地(境界標)、測量図、登記簿が一致していることが安心・安全な土地となります。

測量図と登記簿は一致しても、現地に境界標が無いために境界で揉めることが多々あります。

境界標は安心・安全の印です。

●境界標を設置するためには

境界標を自分で勝手に設置することはできません。

自分だけの判断で設置をすることで、隣接する土地の所有者とトラブルに発展する可能性がありますので、境界標を設置する前に隣接する土地の所有者と境界線を確定させておくことが重要です。

境界線を確定させる際は、トラブルを防ぐためにも土地家屋調査士などに依頼しましょう。

土地家屋調査士は法務局や市町村役場で公図や地積測量図など境界に関する資料や、道路、公共物との関係を調査して現地の測量をします。

収集した資料と測量結果などを精査し、仮の境界点を明示します。

隣接する土地の所有者や公共物の管理者などその土地の関係者と境界点の確認し、関係者が納得することができれば境界標を設置して境界確認書を取り交わします。

境界標がなくなったり移動したりしてしまう原因は、境界標付近で行われる工事、斜面地であれば土砂崩れでなくなったり移動する、経年による腐食もあります。

境界標付近で工事が行われる場合は、境界標の存在を事前に工事責任者へ報告しましょう。

土砂崩れや腐食でいつの間にかなくなっていたということを防止するためにも、境界標の存在を定期的に確認しておくことが大切です。

●設置した境界標はしっかり管理する

境界標は自分の財産を保全するための大切な目印です。

境界標を設置したら写真を撮っておき、測量図と一緒に保管しましょう。

コンクリートやプラスチックなどいくつかある種類のなかから不動性や永続性がある境界標を選ぶこともポイントです。

動いたりなくなったりしていないか、定期的にチェックも行いましょう。

新たに境界標を設置する際は、隣接する土地の所有者立ち合いのもと、境界線を明らかにすることでトラブルを防ぐことができます。

境界紛争を防ぐためにも、境界標を設置しましょう。

●隣地所有者と境界で争いがある場合は

筆界特定制度を利用することで境界を特定させることが可能です。

土地を売買する場合などは境界線を明確にしておく必要があるため、境界線について争いがある場合は話し合いで解決できなければ裁判という方法があります。

しかし、裁判をしなくても筆界特定制度を利用することで境界を特定させることが可能です。

土地の境界には筆界と所有権界の2つの種類があります。

筆界とはその土地がはじめて法務局に登記された際に区画するために定められた境界です。

所有権界は土地の所有者が自由に移動させられる境界で、土地の一部を譲渡したり所有権を取得したりしてできた境界です。

基本的には筆界と所有権界は一致していますが、売買などで一致しなくなっていることがあります。

この筆界を明確にして境界の争いを解決するのが筆界特定制度で、土地の所有者が申請すると筆界特定登記官が筆界調査委員の意見を踏まえながら土地の筆界を特定します。

新たに筆界を定めるのではなく、実地調査や測量で正しい筆界を特定します。

裁判はまとまった費用がかかるだけでなく、結論がでるまでに時間もかかります。

筆界特定制度は各法務局によって違いはありますが6カ月~1年で結論がため、裁判で争うよりも負担が少なくなります。

●境界設置は土地家屋調査士の仕事

土地家屋調査士の仕事は、不動産に関する国民の権利を現地において明確にするための仕事です。

依頼を受けて不動産の表示に関する登記に必要な土地又は建物の調査や測量をし、登記所へ申請手続を行います。

筆界特定制度における筆界調査員、測量実施員として制度を支え、不動産所有者に代理して問題解決に貢献しています。

法務大臣が土地家屋調査士法に規定する民間扮装解決手続代理関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した土地家屋調査士には、ADR認定土地家屋調査士としての資格が与えられます。

ADR認定土地家屋調査士は、弁護士との共同受任により代理人となりADRによる境界問題の早期解決に貢献しています。

土地家屋調査士は法律的判断と高度な技術を必要とし、常に厳正中立な立場で公正で適正な仕事を行っています。

不動産の状況を正確に登記記録に反映することにより、不動産取引の安全の確保や国民の財産を明確にするといった極めて公共性の高いものです。

その使命を果たすための基本姿勢は土地家屋調査士倫理規程として制定されています。

特に境界を確認するときは、地域の境界に関する慣習に精通し、関係する資料の収集、現地の状況、関係人の意見、地図や協議書等を参考に常に公正で中立な立場で業務を行っています。

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