広島解体店長がマニフェスト(産業廃棄物管理票)とは何かご説明いたします

2019.06.01

広島解体工事業者ハウスドクターの三島です。

マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは、建物の解体などにより出た産業廃棄物の排出事業者がその運搬や処理を他の業者に委託する場合にその最終処理までの過程を記録するシステムです。

排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に定められた事項を記載し交付し、産業廃棄物の流れを自ら把握・管理、委託契約内容に基づき適正に処理されていることを確認することができます。

個々の産業廃棄物の運搬・処分の状態を明らかにするもので委託契約に基づき交付されるため、委託契約を締結せずにマニフェスト(産業廃棄物管理票)のみ交付することはできません。

帳票は一般には全国産業廃棄物連合会のものがよく使われるていますが、その帳票の使用が法律で定められているわけではありません。
法の定める要件を満たしていれば、独自の帳票を使用することも可能です。

このマニフェストによって、各段階で各業者から押印(受付日・事業者・担当者)されるため委託したとおりに廃棄物が処理されている事を確認することができ、廃棄物が中間業者、最終処分業者へと流れていく過程を把握することができます。

マニフェストは7枚つづり(A、B1、B2、C1、C2、D、E票)になっており、それぞれが各業者により正しく処理されなければならず、各業者には5年間の保存の義務があります。

施主はきちんと処理されたことを確認するために、マニフェストのE票のコピーを請求してください。

E票には収集運搬業者のサイン、中間処分業者の受領と処分の受取印、最終処分業者の処分終了日の押印がされています。押印もれがあれば、残念ながら不正に処分されたことになります。

●マニフェストの趣旨

産業廃棄物は排出事業者の責任において適正に処理しなければいけません。(廃棄物処理法第3条)

ルールに従って行えば産業廃棄物処理業の許可を持つ処理業者に処理を委託することができ、この場合排出事業者はその産業廃棄物が適正に処理されたことを最後まで確認する必要があります。(法第12条第5項)

排出事業者にマニフェスト伝票の発行・回収・照合を義務付けるマニフェスト制度を定め、排出事業者が適正処理完了を確認する具体的な方法を明確にしています。

●マニフェストの規制

伝票がきちんと回収されないとこのマニフェスト制度は機能しないため、法定期間内に回収できなかった排出事業者は届出を提出しなければいけません。これに違反すると排出事業者には罰則もあります。

排出事業者および処理業者はマニフェスト伝票の5年間の保存を義務付けられています。
この処理の記録が残ることにより、不法投棄などがあった場合には処理ルートを解明する重要な手がかりとなります。

●マニフェストの運用基準

・廃棄物の種類ごとに交付
・運搬先の事業場ごとに交付
・廃棄物の引渡と同時に交付
・処理委託契約書とマニフェストの記載内容に相違がないこと
・マニフェストは5年間保存

●マニフェストの責任

マニフェストの記載事項に関して責任を問われるのは排出事業者です。

運搬業者が持ってきたマニフェストでも、サインをした時点でそれは排出事業者が責任を持って発行した内容とみなされます。

●マニフェスト伝票(7枚複写)

・A票…排出事業者の控え
・B1票…処分業者への運搬終了後、運搬業者の控え
・B2票…処分業者への運搬終了後、運搬業者から排出事業者に返送、排出事業者が運搬終了を確認
・C1票…処分終了後、処分業者の控え
・C2票…処分終了後、処分業者から運搬業者に返送、運搬業者が処分終了を確認
・D票…処分終了後、処分業者から排出事業者に返送、排出事業者が処分終了を確認
・E票…最終処分終了後、処分業者から排出事業者に返送、排出事業者が最終処分終了を確認

●マニフェストの流れ

①廃棄物の発生
排出事業者はマニフェストを準備し、必要事項を記入します。

②排出事業者から収集運搬業者へ
排出事業者はマニフェストを収集運搬業者へ渡します。
収集運搬業者はA票を排出事業者へ渡し、残り6枚の伝票は廃棄物と共に次の工程へと進みます。

③収集運搬業者から中間処分業者へ
収集運搬業者は中間処理業者へ廃棄物を運びます。
処分業者はB1票とB2票を収集運搬業者へ渡します。
収集運搬業者はB2票を排出事業者へ送付することで、運搬が終了したことを報告します。
残り4枚の伝票は廃棄物と共に次の工程へと進みます。

④中間処分終了
廃棄物は選別などの中間処理の工程へ進みます。
中間処理業者は中間処理が終ったとC2票を収集運搬業者へ渡し、D票を排出事業者へ送付することで報告します。
C1票は中間処理業者の控えとなり、E票は最終処分が終るまで中間処理業者が保管します。

⑤最終処分終了
最終処分業者は処分が終了すると、中間処理業者へ報告します。
中間処理業者はE票を排出事業者へ送付することで、最終処分が終了したことを報告します。

●マニフェストに関する罰則

・委託基準違反…5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはこの併科
・マニフェスト不交付…6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
・マニフェスト未記載…6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
・マニフェスト虚偽記載…6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
・マニフェスト保存義務違反…6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
・マニフェスト確認義務違反…措置命令の対象

上記の罰則に加え、紙マニフェストには「産業廃棄物管理票交付等状況報告義務」があります。
これは毎年6月末に前年度のマニフェストの交付状況を管轄する都道府県に報告書にまとめ提出するものです。
電子マニフェスト利用は、この義務は免除されます。

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